アネモネの美しい姿に秘められた悲しい伝説

アネモネ

早春に美しい花を咲かせるアネモネ

 春に花屋さんにいくと、必ず置いてあるお花がアネモネです。見た目も美しく、贈り物として人気がある花ですよね。
 アネモネはキンポウケ科イチリンソウ属の秋植えの多年草で、原産は地中海です。花期は3月~5月で、赤、白、紫、青などカラフルな花を咲かせるのですが、実はこの花には花びらはなく、私たちが花びらだと思っているところは、「がく」です。
 「アネモネ」という花名は、ギリシア語の「風」を表す言葉が語源で、これはアネモネの花が早春の暖かい風が吹く頃に、開花することに由来しています。

アネモネの全体の花言葉に秘められた悲しい伝説

 アネモネの全体の花言葉は「はかない恋」「恋の苦しみ」「見捨てられた」というものであり、アネモネの華やかで美しい姿とは裏腹に、悲しい言葉が並びます。実はこれには、ギリシア神話にまつわる、ある悲しい伝説が由来しています。
 愛と美の神アフロディーテは、息子のキューピットと遊んでいるときに、誤ってキューピットの矢を胸に受けてしまいます。この矢を受けると最初に見た者に恋をしてしまうと言われており、アフロディーテはアドニスという狩りの大好きな美少年に恋をしてしまったのです。
 しかし、ある日アドニスは狩りの途中、イノシシに突き殺されてしまいます。これを知ったアフロディーテは悲しみのあまり、涙を流し続け、それがアネモネの花になったといわれています。
 アネモネの全体の花言葉の「はかない恋」「恋の苦しみ」は、この伝説の影響を強く受けたものです。

アネモネが贈り物に選ばれるわけ

 
 アネモネが贈り物として人気がある理由は、アネモネの全体の花言葉がネガティブな印象を持つものであっても、色別の花言葉はむしろ良いイメージを持つ花言葉が、多く並ぶからです。
 例えば結婚式のブーケに使われる白いアネモネには「期待」「希望」という明るい花言葉がありますし、贈り物として人気の高い、赤いアネモネには「君を愛す」という花言葉があります。他にも、青いアネモネには「あなたを信じて待つ」、そして、ピンクのアネモネには「待望」という花言葉があります。
 ただし、アネモネに対する印象は、人それぞれ違いますので、贈る場合は選んだ花言葉を添えて、書くことをおすすめします。

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