星形の花が特徴
桔梗は日本を含めたアジアを原産地とする花で、風船のようなつぼみが開くと星形の花になることから、英名ではballoon flowerと呼ばれます。初夏から秋に咲く花で、紫がかった青い花がとてもさわやかです。多年草で、茎は40~100cmほどになり、その先にいくつかの花を咲かせます。日当たりの良い場所を好み、もともとは山野に咲いていた花ですが、現在ではその数が減少し、日本で絶滅危惧種にも指定されている花です。
古くから日本では親しまれていた
日本では古くから親しまれており、万葉集では秋の七草のひとつとして歌われています。七草粥で知られる春の七草に対して、秋の七草は見て楽しむもので、女郎花・尾花・桔梗・撫子・藤袴・葛・萩がそれにあたります。その形を模した桔梗紋を家紋とする家も多く、細かくは三つ割桔梗、細桔梗などいろいろあります。昔、桔梗を神様への供物として吉凶を占ったその吉凶の発音が転じて桔梗という名になったというのがその名の由来だとされています。野生の桔梗は絶滅危惧種ですが、園芸用の品種は豊富で、ウズキキョウやアポイギキキョウ、五月雨、小町など、その種類はさまざまです。
漢方薬にも
桔梗の名は桔梗根と呼ばれ、昔から漢方薬としても使われてきました。サポニンを多く含み、鎮痛・解熱作用があるとされています。人参を細くしたような白い根をしていて、太くてえぐみのあるものが良い生薬として重用されています。呼吸器疾患によく使われる桔梗ですが、過剰に摂取すると溶血作用や吐き気などの副作用があるため、使用する場合は容量を守って使うことが大切です。
桔梗の花言葉は変わらぬ愛
桔梗の花言葉は変わらぬ愛、誠実、従順です。桔梗は待つ女の象徴のような存在で、戦時中は戦地に赴く夫や恋人の無事を祈って植えていたと言われています。花に似合った奥ゆかしいエピソードですね。
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